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  • 川口敦子

小学校入学とともに訪れるとウワサの「小1の壁」やPTAとの付き合い方。あなたはどうしてる?





報道現場で、子育てと仕事の両立を目指して日々奮闘する皆さんに、「そこんとこどう?」を聞く新企画「ウチらの子育て」がスタートしました!この回では、3人の記者・デスクに、「『小1の壁』って実際のところどうだった?PTAへの参加、どうしている?」と聞いてみました。それぞれの経験と知恵が、読んでくださったあなたの参考になれば幸いです。(聞き手・川口敦子=フリーランス)

【この回では、次の皆さんの記事を読むことができます】 (記事はこちら)をクリックすると、それぞれの記者の記事に飛びます。スクロールしていって、全員の記事を通して読むことも可能です。


氏家寛子さん(NHK)

結局のところは子ども次第。いざというときに柔軟に対応する覚悟さえあれば、大丈夫ではないかと思います。 (氏家さんの記事はこちらから) (プロフィール) 1987年生まれ。2010年NHK入局。水戸局が初任地で、岡山局、新潟局を経験。2019年から首都圏局に所属し遊軍担当。2016年に長男を、2019年に次男を出産。

保育や介護など生活者の視点を大切にした取材を多く手がける。


小田智博さん(共同通信社)

子どもにとって、友だちが多い学童保育は、1年生当初から過ごしやすい場所のようです。 (小田さんの記事はこちらから) (プロフィール) 1983年生まれ。2005年に共同通信社に入社。大分支局、福岡支社編集部、東京本社社会部、長野支局を経て、2015年から再び東京本社社会部。2014年の長男誕生後に計1カ月半、2017年の次男誕生後に1カ月の育休をそれぞれ取得。






溝上由夏さん(テレビ朝日)





世の中の出来事を生活者の目線で見るためのチューニングが、PTAを通じてできている、そんな感じがします。 (溝上さんの記事はこちらから) プロフィール)

1981年生まれ、2005年テレビ朝日に入社。社会部警視庁担当を経て、2011年に長女、2017年に長男を出産し現職。ドキュメンタリー番組「女性議員が増えない国で」が2023年、「メディア・アンビシャス大賞」優秀賞を受賞。第1回日韓女性記者フォーラム日本側代表。


氏家寛子さん NHK首都圏局コンテンツセンター 記者

結局のところは子ども次第。いざというときに柔軟に対応する覚悟さえあれば、大丈夫ではないかと思います。

氏家寛子さん(2024年1月29日、東京都渋谷区で川口敦子撮影)

 

小学校入学前にはあれこれ心配しましたが、蓋を開けてみたら、子どもは学童保育に楽しく通っています。複数の選択肢を持ちつつ、柔軟にやっていくほかないのかな、と感じています。

私の長男(取材時7歳)は環境の変化に弱いタイプ。小学校入学前に上司に相談して、万が一、小学校に行き渋るようなことがあったら、在宅勤務を多めにすることもありうる、と伝えていました。

 

また居住区は学童保育の受け入れ人数に制限はありませんでしたが、子どもが公立の学童保育で心地よく過ごせるかどうか分からなかったため、民間が経営する学童保育の施設も複数見学し、子どもが保育所の年長だったゴールデンウィークごろには申し込みを済ませました。子どもが、公立の学童に適応できなかったときに備えて、別の選択肢を確保したのです。

 

親としては、小学校入学後にどうなるかあれこれ心配して、複数の選択肢を用意したのですが、結果的には長男は、小学校に併設された公立の学童に週4日、民間の学童に週1日のペースで楽しく通っています。公立の学童をベースにしつつも、民間の学童は夏休みなどの長期休み中にさまざまなイベントに参加できるのが魅力的です。

 

たとえ親が「ここが子どもに合っているのでは」と考えても、実際に合うかどうかは、結局のところは子ども次第。今思えばではありますが、通ってみる前にあれこれ悩んでも仕方ないので、いざというときに柔軟に対応する覚悟さえあれば大丈夫ではないかと思います。ただ、これまでは保育所に迎えに行けば良かったのが、小学校入学後に子どもの放課後の居場所が複数になったため、私がお迎えの場所を間違えることが何回かありました。ちなみに、長男は間違えませんでした(笑)。

 

小学校では、保護者会など平日の行事もそれなりにありますが、リモートや中抜けで対応もできることがある記者職だからこそ、乗り切れているところもあります。今(2024年)、PTAでは広報委員長をしています。委員長は、子どもの土曜授業に合わせて会議を入れるなど、柔軟にスケジュールを組むことができるという面もあります。

 

PTAへの参加については、さまざまな意見があると思いますが、私自身は人とのつながりができ、学校や子どもの情報が入ってくることにメリットを感じています。私にとって大きな気づきとなったのは、「自分の住む地域には、いろんな人がいる」ということを保護者の一人として実感したこと。 どうしても普段の取材先は「肩書き」のある人に偏りがちになりますが、一部の人にだけ分かるニュースではなく、地域でさまざまな立場にある人々にとって納得感があるものを作らなければいけないな、と改めて考え直すきっかけにもなっています。私にとってPTAは、地域の人と一緒につながる「のりしろ」のようなものなんです。


氏家寛子さん(2024年1月29日、東京都渋谷区で川口敦子撮影)

 

小田智博さん 共同通信社編集局社会部 記者

子どもにとって、友だちが多い学童保育は、1年生当初から過ごしやすい場所のようです。

小田智博さん(2024年3月25日、東京都港区で川口敦子撮影)

長男(取材時9歳)は現在、自宅近くの公立小学校に併設された学童保育で放課後を過ごしています。この学童保育には、こども園で一緒だった友だちが多いので、1年生になった当初から、本人にとっては過ごしやすい場所のようです。

 

長男が、公立小の学区内にあるこのこども園に転園したのは、年中のころでした。次男(取材時6歳)の通うこども園であり、長男のクラスの定員に空きが出たため、転園が可能になったのです。

それ以前は、長男、次男を同じ所に通わせることが定員の関係で難しく、長男は自宅から離れた別の学区の保育園に、次男は自宅から近いこども園に通っていました。親にとっては、毎日自転車で少し遠い場所まで長男を送るのは、それなりに大変なことでしたので、次男が通っていたこども園に空きが出たのは「渡りに船」でした。 長男にとっては、卒園を控えて1年半ほどのところで、これまでともに過ごした友だちと離れ、新たな人間関係を築く必要に迫られたので、最初の1カ月間ぐらいはしんどかったと思います。

 

ただ、これは結果論ではありますが、こうして転園後に子ども同士の新たなつながりができたことが、「小1の壁」をさほど感じることなく、スムーズに学童保育で過ごすことにつながりました。当時は、小学校の学童保育のことまで考えて転園したわけではありませんでしたが、このようなことも視野に入れておくと、もしかしたら小学校入学後の過ごし方が少し楽になることがあるかもしれません。

 

小学校入学後は、平日の行事の引率やボランティアでの写真撮影など、保護者が学校に関与する機会がだいぶ多くなったと感じます。保護者同士が平日の行事で会ってつながっていれば、子ども同士が遊ぶときにも安心です。私も仕事を調整して行事に参加することもあります。ただ、大部分はフルタイムで働く妻が担ってくれている、というところに申し訳なさも感じています。

小田智博さん(2024年3月25日、東京都港区で川口敦子撮影)



 

溝上由夏さん テレビ朝日報道局 報道番組センター「スーパーJチャンネル」ニュースデスク

世の中の出来事を生活者の目線で見るためのチューニングが、PTAを通じてできている、そんな感じがします

溝上由夏さん(2024年2月21日、東京都港区で川口敦子撮影)

私はニュース番組のデスクであるとともに、小学校6年の長女と、保育園年長の長男(取材時)がいる二児の母です。夫は単身赴任中で、双方の実家も遠方にあるため頼れません。

そのため「小1の壁」は、最長で21時まで子どもを預かってくれる民間の学童保育を契約することで乗り切りました。この民間学童は長女が通う小学校の校区外にあるのですが、学校まで迎えに来てくれるため、小学校低学年のときには助かりました。 子どもも成長してくるので、途中からは一人で行ってもらっています。長女は3年生からは一人で行けるようになりました。今春から小学生になる長男も、同じ学童でお世話になる予定です。この民間学童は、夏休みや冬休みのアクティビティも充実しているので、夏休みを長く取れない保護者にとっては助かります。

ベビーシッターさんにも曜日を決めてきてもらっていますが、発熱などの緊急時には、すぐにシッターさんが見つからないこともあります。そんなときに頼りになるのが「近所のマダム」。以前ベビーシッター会社でお勤めになられていた方で、現在は退職されているのですが、本当にせっぱつまったときには来ていただけないか、個人的に交渉しています。緊急時の「頼みの綱」のような存在なんです。 一例として、本当にせっぱつまっていた日の動きです。

【発端】ニュース番組のデスク当番の日に、保育園から「長男発熱」と連絡 →保育園へのお迎え可能なシッターさん探すも見つからず(13時) →元々お願いしていた夜のシッターさんも病児対応不可のためキャンセルに →半泣きで昔お願いしていた「近所のマダム」に連絡、奇跡のマッチング! →夫に連絡 →ファストドクター※に往診依頼 →速報ニュース対応 →怒濤のニュースリード作成 →ファストドクターから問診電話応対 →怒濤のニュースタイトル・サイド作成 →怒涛の原稿チェック →明日の病児保育手配 →シッターさんにLINE連絡 →速報対応 →長女のPTA卒対のメールチェック、返信LINE応答 →速報対応原稿チェック →今日のシッターさんにLINE連絡 →速報原稿直し →怒濤のニュースタイトル・サイド作成 →ファストドクターから往診時間決定連絡 →速報対応 →サブに走ってオンエア対応(17時50分) →屍のような状態で帰宅

PTAに関して、私自身は学校での思わぬ情報を得ることができていて、彼女たち(PTA活動に参加している母親たち)にはめちゃくちゃ助けられています。世の中の出来事を生活者の目線で見るためのチューニングが、彼女たちとのやりとりを通じてできている、そんな感じがするのです。

待機児童問題や、子どもが一人で留守番することを「虐待」だとする「お留守番禁止条例」案などは、私たちの社会のあり方を考える上で大事なニュース。「女・子どものこと」「些末なこと」ではあってほしくないのです。彼女たちとのコミュニケーションを通じて「これ大事な問題でしょ」と確信を得て、エネルギーをもらっています。

(参考) ※「ファストドクター」とは

夜間や休日に、医師による医療相談や往診、オンライン診療などが受けられる独自の救急医療プラットフォームをつくる会社。2016年創業。



溝上由夏さん(2024年2月21日、東京都港区で川口敦子撮影)

溝上さんの記事は、下記の回でも読むことができます。 子どもがいるからこそ、生まれたニュースって? (backtothenewsroom.jp)


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